コラム

スタバ日本事業売却の報道に学ぶ|公共調達の「価格」と「価値」

米コーヒーチェーン大手が日本事業の売却を検討し始めた、という報道が話題になっています。日本法人の業績は好調とされる一方、激しいインフレに揺れる米本社との「日米落差」が背景にあると伝えられています。一見すると入札とは縁遠いニュースですが、そこで語られている「効率だけでは測れない価値」というテーマは、公共調達のあり方を考えるうえでも示唆に富んでいます。

「効率」と「価値」は両立するのか#

報道のなかで印象的なのは、現場の接客や店内の雰囲気といった数値化しにくい価値が、競争力の源泉になっているという指摘です。価格や効率だけを追えば、こうした目に見えない強みは失われかねません。

これは、ものやサービスを「安く調達する」ことと「良いものを調達する」ことのバランスという、調達全般に共通する課題と重なります。価格は比較しやすい一方、品質や継続性は数字になりにくいからです。

公共調達における価格と品質#

公共調達でも、価格の安さだけで決めると、かえって品質や履行の確実性が損なわれるおそれがあると指摘されてきました。そのため、価格と技術・品質の両面から評価する仕組みが用いられる場面があります。

一般に、評価の考え方には次のような軸があるとされています。

  • 価格の妥当性(安ければよいわけではない)
  • 業務を確実に履行できる体制や実績
  • 提案内容の質や創意工夫

これらをどう組み合わせるかが、発注機関ごとの調達設計の腕の見せどころといえます。

総合評価方式が問いかけるもの#

価格と価値の両立を制度として体現しているのが、総合評価落札方式の考え方です。価格点と技術点を合わせて評価することで、単純な価格競争に陥らないよう工夫されています。

応札する側にとっては、価格を抑える努力だけでなく、自社ならではの強みや品質を言葉にして伝える姿勢が問われます。スターバックスの報道が映し出す「効率と価値の両立」というテーマは、提案書づくりのヒントとしても受け止められるのではないでしょうか。総合評価方式への向き合い方は、入札ガイド もあわせてご覧ください。