複数の公共工事を並行受注する際の技術者配置と施工体制管理の実務
複数の公共工事を同時に受注・施工する場合、工事ごとに必要な主任技術者・監理技術者等を適切に配置することが建設業法上の義務となります。技術者の兼任が原則として制限されているため、受注機会を増やしつつ法令を遵守するには、自社の技術者数・資格・稼働状況を正確に把握したうえで受注計画を立てることが重要です。
配置技術者の基本ルール#
建設業法上、工事現場には原則として「主任技術者」(一定金額以上の下請契約を締結する場合は「監理技術者」)を配置することが義務付けられています。主任技術者・監理技術者は、施工計画の作成・工程管理・品質管理・安全管理を担う現場の責任者であり、適切な資格と実務経験を有することが求められます。
原則として、主任技術者・監理技術者は工事ごとに専任で配置することが必要であり、複数の現場を同時に掛け持ちすることは認められていません。ただし、発注者が同一である場合など一定の要件を満たす場合には、特例的に兼任が認められることがあるとされています。具体的な要件は関係法令・告示を確認することが必要です。
並行受注時の施工体制管理#
複数の工事を並行して受注する場合、施工体制台帳や再下請負通知書の整備も各工事ごとに行う必要があります。施工体制台帳は、元請受注者が下請業者も含めた現場の施工体制を一覧化した書類であり、一定規模以上の公共工事では現場に備え置くことが義務付けられています。
並行受注時に注意すべき主な管理ポイントは以下のとおりです。
- 各現場の配置技術者の資格・専任状況を管理台帳で一元的に把握する
- 技術者の兼任が認められない案件では、追加雇用・協力会社との連携を検討する
- 工期が重複する案件を受注する際は、技術者の空き状況を事前に確認してから入札に参加する
- 下請業者が変わる場合や施工体制に変更が生じた場合は、発注機関への変更届を忘れずに行う
受注計画における技術者キャパシティの管理#
技術者の数・資格・稼働状況を見据えた受注計画を立てることが、法令違反を防ぎつつ事業を安定的に拡大するための基本です。自社の技術者リソースを把握せずに入札参加数だけを増やすと、落札後に適切な技術者を配置できず契約違反となるリスクがあります。
案件の規模・工期・地域を踏まえた技術者の配置計画を社内で作成し、定期的に見直す習慣を持つことをお勧めします。入札情報をまとめて確認するには、落札データベースもあわせてご活用ください。
