公共調達における環境配慮要件(グリーン調達)への対応と実務上の注意点
近年、国や地方公共団体が発注する工事・物品・業務委託の仕様書において、環境配慮に関する要件(いわゆる「グリーン調達」)が明示されるケースが増えています。受注者の立場からみると、こうした要件は単なる付加条件ではなく、契約上の義務の一部です。見落とすと後から是正を求められたり、証明書類が揃わないまま完成検査を迎えたりといった事態にもなりかねないため、入札前の段階から内容を把握しておくことが重要です。
グリーン調達の背景と根拠#
「グリーン調達」とは、製品やサービスの調達にあたって、環境負荷の少ないものを優先的に選ぶ取り組みです。国の場合は「グリーン購入法」(環境物品等の調達の推進等に関する法律)が根拠のひとつとなっており、国や地方公共団体に対して環境物品等の調達推進が求められています。この法律に基づき、国は特定の品目について「判断の基準」を定めており、受注者が調達・使用する材料や機材がこの基準に関わる場合は、対応が求められることがあります。
仕様書に記載される主な環境配慮要件#
公共工事・業務委託の仕様書では、以下のような環境配慮要件が記載されることがあります(案件・発注機関によって内容は異なります)。
- 建設副産物の適正処理:廃棄物・残土の処理方法、再利用率の目標、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の整備
- 低公害車・環境対応型建設機械の使用:排出ガス規制に適合した機械の使用、確認書類の提出
- 環境配慮型資材の使用:再生材・低VOC塗料・グリーン購入法基準適合品などの指定
- 環境基準の遵守:騒音・振動・粉じん等について、法令基準の遵守に加え、自主的な測定記録の提出を求められることもある
受注者が実務で注意すべきポイント#
要件の確認と事前準備#
仕様書の環境配慮要件は、特記仕様書や共通仕様書の「環境保全」に関する条項に記載されていることが多いです。積算・施工計画の段階で見落とさないよう、仕様書全体を通読して必要な対応を洗い出してから着工しましょう。
環境対応型建設機械の手配や環境配慮型資材の調達は、通常よりもリードタイムがかかる場合があります。発注後できるだけ早い段階で調達の見通しを立てておくことが大切です。
書類・証明書類の整備#
環境配慮要件を満たしていることを証明する書類(機械の排出ガス適合証明書・廃棄物処理票・使用資材の環境認証書など)は、完成検査時に確認を求められることがあります。施工中から計画的に収集・整理しておきましょう。
仕様変更が生じた場合の対応#
施工途中で使用機械や資材を変更せざるを得ない場合は、変更後の選定品が環境配慮要件を引き続き満たすかどうかを確認し、必要に応じて監督員に報告・相談します。環境要件を満たさない代替品への切り替えは契約違反となる可能性があるため注意が必要です。
環境配慮要件は今後も強化される方向にあります。自社の施工体制を定期的に見直し、対応可能な機械・資材の情報を日頃から収集しておくことが、スムーズな契約履行につながります。
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